GET IN DEEP WITH FLYING HIGH2
by data yamawakiBOOK のアーカイブ
読売新聞の土曜小説で連載されていた作品。
なんというか、かなり残念な内容。
良い感想はどこにもなかったので省きます。
挿絵のイラストからして怪しい感じはしてたんだけどなぁ..まあいいけど。
やはり先生には、ドロドロの暗黒トランスを望みます。
多重に重なった人格はどこからくるのか。いつか人格が統合されたとき、その魂たちはどこへゆくのか。元精神科医であるジュンコと、その元患者であり多重人格症のマリカ。旅先のバリ島の聖域で起こった美しくやさしい物語。短い話ですが、丁寧で繊細な言葉遣いと表現力に、バリの神聖な空気を感じた。

I STAND HERE FOR YOU
すべてのものは 小さく小さく小さくしていくと
クオークという物質になり
この世界の中で、クオークの総数は一定で
増えも減りもしない
幾千年前に死んだ恋人のクオークのひとつが
あなたの体の中に含まれていることだってある
孤独でも、一人きりなわけじゃない
「愛美は死にました。しかし事故ではありません。このクラスの生徒に殺されたのです」
我が子を校内で亡くした中学校の女性教師、森口によるホームルームでの告白から、この物語は始まる。
名前は伏せ、クラス全員の中にいる少年Aと少年Bに向けてホームルームはつづく。
実は愛美のお父さん(森口の夫)はHIV感染していて、それを理由に別れてしまっていたこと。愛美が死んでから一緒に生活するようになったこと。
そして森口は言う。
「自分の旦那から血液を貰って犯人A.Bの牛乳の中に入れました。発症まで5年から10年かかりますから、その間に命の重さを感じてもらいたい」
自分が担当するクラスの生徒に愛美を殺され、森口はふたり(少年Aと少年B)を激しく憎む。
しかし、ふたりは少年法に守られる年齢である。そこで法に委ねることなく、自分自身で彼らを裁こうとする、私刑の話。とても読みやすく面白い内容。ただ前半の先生の告白から盛り上がり、少年たちの告白、その母親の告白と続いてゆき、最終、マザコンとモンスターペアレントといった家庭内の問題に縮小、というか収まってしまった点が残念でした。
ある日、突然小さくなってしまった「ちよみ」と南くんのSFファンタジー。
「ちよみ」の身体が一生このままなのか、と未来への思考を促しながら同棲をする二人。現実に置き換えると、「ある日、突然彼女が自分ひとりでは生活出来ない身体になってしまった」という、とても重く暗いテーマ。リアルな人間の男女の共同生活があり、衣食住がままならない小さく弱い存在の「ちよみ」を一生懸命に養育しようとする南くん。ゆるい絵のタッチと「ちよみ」の直向きな明るさがあって、すごく良いバランスの雰囲気、というか暗すぎるテーマをうまく和らげているのだが、それが逆にもの悲しさをかき立てることでもある。そして、いつか南くんは「あの日々は何だったんだろう」と、たまに泣いたりして暮らしていく、甘くなくて深い恋愛物語。
正直舐めてたけど、心に残る名作です。
100円くらいで中古本売ってます。
渡部の働く会社に、派遣社員の仲西秋葉がやって来たのは、去年のお盆休み明けだった。僕の目には若く見えたが、彼女は31歳だった。その後、僕らの距離は急速に縮まり、ついに越えてはならない境界線を越えてしまう。しかし、秋葉の家庭は複雑な事情を抱えていた。両親は離婚し、母親は自殺。彼女の横浜の実家では、15年前、父の愛人が殺されるという事件まで起こっていた。殺人現場に倒れていた秋葉は真犯人の容疑をかけられながらも、沈黙を貫いてきた。犯罪者かもしれない女性と不倫の恋に堕ちた渡部の心境は揺れ動く。果たして秋葉は罪を犯したのか。まもなく、事件は時効を迎えようとしていた・・・。
前半はバブル期の不倫恋愛小説。クリスマスだとかバレンタインだとか何かにつけ不倫相手と会いたがる幼稚な内容。肝心のミステリー部分には意外性は無いです。ミステリーって言うかそういう要素を含んだ時代遅れのペラッペラの不倫ドラマって感じ。完全なる駄作です。帯も広告も詐欺レベル。
金返せコノヤロウ。ヽ(`Д´)ノウワァァァン!
ちなみに元ネタはサザンオールスターズ
LOVE AFFAIR 〜秘密のデート
夜明けの街ですれ違うのは
月の残骸と昨日の僕さ
二度と戻れない境界を越えた後で
嗚呼この胸は疼いてる
振り向くたびにせつないけれど
君の視線を背中で受けた
連れてかえれない黄昏に染まる家路
嗚呼 涙隠して憂う Sunday
君無しでは夜毎眠らずに
闇をみつめていたい
マリンルージュで愛されて
大黒埠頭[だいこくふとう]で虹を見て
シーガーディアンで酔わされて
まだ離れたくない 早く去かなくちゃ
夜明けと共にこの首筋に夢の跡
愛の雫が果てた後でも
何故にこれほど優しくなれる
二度と戻れないドラマの中の二人
嗚呼 お互いに気づいてる
棄ても失くしも僕は出来ない
ただそれだけは臆病なのさ
連れて歩けない役柄はいつも他人
嗚呼 君の仕草を真似る Sunday
好き合うほど何も構えずに
普通の男でいたい
ボウリング場でカッコつけて
ブルーライトバーで泣き濡れて
ハーバービューの部屋で抱きしめ
また口づけた
逢いに行かなくちゃ
儚い夢と愛の谷間で溺れたい
マリンルージュで愛されて
大黒埠頭(だいこくふとう)で虹を見て
シーガーディアンで酔わされて
まだ離れたくない 早く去かなくちゃ
夜明けと共にこの首筋に夢の跡
だから愛の谷間で溺れたい
Oh…
さっきまで元気だった陽介が目の前で死んだ。大切な人たちを喪った夏。
幼い友人・陽介の飼い犬に引きずられての事故。
しかし、その死は本当に事故なのか?愛犬はなぜ暴走したのか?
動物と話すことができる「ソロモンの指輪」があれば..
しかしその裏に書かれてあるのは、動物よりも、人間同士のコミュニケーションの難しさ。
読みやすくはあるものの、決定的なパンチ力に欠ける内容でした。
登場人物の年齢が若いと感情移入できないな。
繋ぎとしては良かったです。
記憶喪失の「僕」と宮古出身の「昭光」との奇妙な出会いからはじまる二人の物語。沖縄への本土からの移民組の経営するゲストハウス・外国人派遣労働者・ワーキングプア・絶望によるネット集団自殺。バックパッカー、フリーター、ニートといった、ふわふわと地に足のつかない若者たちを薄っぺらい言葉で支配する「イズム」。ここではないどこかへ。若者たちの目指した「理想の楽園」と惨めな現実。
突然来るラストのオチにやや不満が残るも、沖縄やワーキングプアに対する徹底的な取材が伝わる渾身の力作。
とても面白かった。希望はまったくないけど。
I’m sorry, mama.
あまりにも不条理でグロテスクな生い立ちのアイ子。
行きつくままに人を殺し、奪う。そして逃走する。
そこに特別な感情も考えもない。欲しいから、邪魔だから、危険だから。それが動機のすべて。
「こんなふうにしか生きられなかった」
それはアイ子だけでなく、もれなく醜悪で欲望や不満をさらけ出す登場人物全員の叫び。
夢の中「お母さん」と呼びかけるアイ子を、母親は拒絶する
BPM150の暗黒トランス。
http://www.shueisha.co.jp/kirino/movie.html
↑FLASH movie アリ。
東京島
無人島に取り残された31人の男と1人の女のサバイバル物語
文化、宗教、リーダー、迫害、性欲と食欲。
46歳の太った中年主婦清子は島で唯一の女であり最年長でもある。島でただ一人の女性として、若者たちに追い回される生活に内心、狂喜する。それは「島の女王」としての権力の象徴でもあり、また清子が生き抜く手段でもあった。無人島での3回の結婚、脱出計画と双子の出産。夫を裏切り、他者を出し抜き、子供を利用しても、なんとしても生き抜こうとする清子の醜さは俗悪で狂気。
木村多江主演での映像化には無理があるよね..
もっと身も心もブサイクな人が相応しいと思う。細木数子とか。。
ちなみに実話を元に書かれているそうだ。
「アナタハン島事件」
http://www.nazoo.org/distress/anatahan.htm
残虐記
新潟の少女誘拐監禁事件をもとに書かれたといわれている2004年の作品。犯人ケンジの性欲のために突然幽閉された1年間と、解放されてからの少女の心の変化を描く。事件を想像し、残虐な行為を哀れみながらも期待している世間。被害者でありながら、そんな理不尽な視線に晒されなくてはならないという屈辱感。監禁された過去に折り合いが付けられず絶望を味わい、想像の世界に逃げ込み、その後溢れ出した感情。言葉にしてしまえば、たちまち周囲の誤解を招き想像に食い尽くされるケンジとの生活の「真実」。ケンジは心底憎い存在であったが、同時に恋人であり最大の理解者であった。裏切りはどちらによるものなのか。少女の想像力=「毒の夢」は支配と服従をめぐる残虐な物語を生み、真実を嘘に変え、また逆に嘘を真実にも変えた。だがそれは少女が再び歩き出す為の物語でもある。何が真実で、どこまでが想像なのか。超圧倒的な筆力と想像力で持ち上げて、最後は綺麗に奈落への投げっぱなしジャーマン。
素晴らしいです。
OUT
OUT(1997)上・下
桐野夏生
深夜の弁当工場で働く主婦たちは、それぞれの胸の内に得体の知れない不安と失望を抱えていた。
コミュニケーションの崩壊した家庭を持つ雅子、物欲が押さえきれずカード破産している邦子、痴呆症の姑の介護と貧困に苦しむヨシエ、夫の暴力と浪費に追い詰められた弥生。今の生活からの脱出を心中で叫ぶ彼女たちを外へと導いたのは、弥生の夫殺しという思いもよらぬ事件。そして彼女たちは死体を風呂場でバラバラにし、ゴミとして捨てた。そこへ現れる街金経営者の十文字、無実の罪で拘留された佐竹。ストーリーは複雑化し崩壊へと向かい、心に闇を抱える主婦たちが、行きずりのはずだったバラバラ殺人事件を境に抗いようもなく犯罪に引きずり込まれていく。一方、佐竹は雅子や弥生を恨み、事件の真相を探りすべてを知る。なにもかも失った佐竹の中で膨れあがる雅子の存在。眠っていたはずの快楽殺人の欲求が目覚め、雅子での過去の快楽殺人の再現を夢見るようになる。なぜ雅子は自分が犯した殺人でもない、ただのパート仲間の夫の死体処理に手を貸したのか。決して戻れない扉をあけて「OUT」してしまった4人の女のそれぞれの事情や心情、そして愚かさへの描写は圧巻。
柔らかな頬
柔らかな頬(上・下)
桐野夏生
北海道・支笏湖近くの別荘地で5歳の幼女・有香が行方不明になる。母親のカスミはこの別荘を購入した石山と不倫関係にあった。カスミの夫、有香の妹・梨紗、石山の妻と子どもが夏休みを過ごしていたこの別荘で、カスミは妻であることを捨てて女であることを選び「子どもたちを捨てても構わない」と思う。翌朝、有香は神隠しにあったように消え失せた。家族、警察の捜査にかかわらず結局有香は見つからなかった。
それからの4年間、事件を境に壊れていく人間関係と経年変化しズレていく心。人間の持つ救いようがない業の深さを、事件に接点をもつ者それぞれの視点で描く。
「まるで母親の気を引くような仕草が可愛くて、カスミは有香の柔らかな頬を両手で挟んだ。」
なにかを捨てることで得られる自由、失ったものを探し続けることで得る生命力。ついに完了しないカスミの魂の漂流の物語は、この小説全体の輪郭を膨らませ読み手の心に訴えかけてくる。桐野夏生渾身の傑作と思われ。第121回直木賞受賞作。
生たまご
ゆでたまご先生の出生、2人の出会い、社会現象にまでなった「キン肉マン」連載終了からの地獄。同時期を両人それぞれの視点で交互に語っていく自伝本。キン肉マン連載開始から30年。さらに遡れば中学時代からのパートナーである2人にあるのは絶対的な信頼関係。信頼と友情パワー、グッときます。
でも少しは挿絵が欲しかったな。
幻夜
幻夜
東野圭吾
「白夜行」の続編として書かれたらしい作品。美冬=雪穂の悪女っぷりは素敵だが、グルーヴがなく無駄に長いミニマルハウスオンリーのパーティーのような内容にがっかり。雪穂シリーズ3作目へと繋ぐトラック物といった感じか。3作目のアゲに期待。
白蛇教異端審問
白蛇教異端審問
桐野夏生
家庭の母であり、妻であり、作家としての桐野夏生の生々しいまでの私生活を含めたエッセイ。
白蛇教とは「表現に命を懸ける者たちが信ずる宗教」。ファンはマストバイ。
にょろ。
葉桜の季節に君を想うということ

葉桜の季節に君を想うということ
歌野晶午
2004年のミステリ賞を総ナメにした作品。最終読者に対しての心理トリックに繋がるのだが、台詞などイチイチ気に食わない。設定も非常に気色悪く、まったく望んでいなかったシルバー物語。中古本で充分。とりあえず他の作品も気になるので読破してみます。
ローズガーデン
探偵村野ミロシリーズ短編4作
「ローズガーデン」
後に自殺することとなるミロの夫「河合博夫」の視点。単身赴任先のインドネシアの川を遡って行くと同時に、ミロとの出会いと青春時代を回想する。荒く壮大な大河と庭の薔薇が目に浮かぶ妖しく美しい世界観。「善三との関係」はミロの博夫に対する駆け引きの虚言に過ぎなかったように思う。あるいは「ダーク」へと続くミロの世界か。
その他「漂う魂」「独りにしないで」「愛のトンネル」 は新宿2丁目を舞台にした短編探偵モノ。短編過ぎて物足りず。良き隣人時代の「トモさん」義父「村野善三」が登場。ダークを先に読んだ後にはもはや懐かしい、まだ少しは幸せだった頃。
DARK
「朴美愛」に名前を変え、海峡を越え韓国に渡ったミロは、偽ブランド品を手がける 韓国人の徐鎭浩と愛人契約を結び、隠れ蓑とした。善三を見殺しにしたミロが許せない盲目の久恵、善三に依頼していた調査の報告書が人手に渡ることを恐れる鄭、ミロに貸した金に加え鄭からお金をせしめたいトモさん。覚醒剤、レイプ、殺人、新たに生まれる恨みや悲しみの連鎖と前編からの登場人物の更なる異常な非人間性。特に盲目の久恵の描写は鳥肌もの。トモさんの堕ちっぷりもかなりのファン泣かせ。久恵の凶弾からミロを庇い下半身不随になった徐に寄り添うミロは次第に「生きたい」と願うようになっていく。全てが間違いだらけの世界で自分を認め、追われながらも徐と生き抜く決心をするミロの姿は凛々しい。
「悪い夢を見ていたのかも知れない」
「あれは現実そのもので、あなたは本当は悪い人なのよ」
徐鎭浩を描くに際して、作者は1980年に韓国で起こった光州事件を描いている。必要か不必要かは賛否様々かと思うが、光州事件の章は生々しい迫力で面白い。またこの章がなければ徐鎭浩という人物に感情移入することも出来なかったと思う。逃避行の末、ミロと徐鎭浩が約束を交わした天王寺の町並みを懐かしく見てしまう。
DARK
DARK 上 (2006)
桐野夏生
ミロの義父の善三、その内妻の盲目の久恵、善三のパートナーのヤクザの鄭、前作「天使に見捨てられた夜」ではミロの隣人で良き親友でもあった同性愛者のトモさん。怒り、嫉妬、疑い、打算、捻れ捩れ屈折した感情が登場人物の精神をことごとく壊していく。パスポートを偽造し逃亡するミロを追って舞台は韓国へ。探偵村野ミロシリーズ3作目にして突然の展開。ず太いベースとキックのみで聴かせるドロドロの暗黒トランス。「顔に降りかかる雨」「天使に見捨てられた夜」を先に読んでないとこの危険なグルーヴが伝わらないです。
人間の邪悪な部分をさんざん植え付けられて、このところダーティーな夢を見るようになってしまいました。つづく




























